はてなのエンジニアに期待する「アウトプット」

id:stanaka です。はてなでは1月末と7月末に評価の時期を迎えます。毎回この時期になると評価プロセスや評価軸について議論になります。

はてなでのエンジニア評価として、コード品質などいくつかの項目がありますが、その中の一つとして「アウトプットする」ということを設定しています。 「アウトプットする」ということは直接的にはその本人と会社の社外におけるプレゼンスを向上させる、ということになりますが、それ以上の効果があると考えており、そのあたりの背景について社内向け文章を書いたのですが、せっかくですので社外にも公開します。

「アウトプットする」ことを期待する背景

はてなのエンジニアの評価基準として「アウトプットする」ということを軸の一つとしています。 アプトプットすることは、自身や会社の社外におけるプレゼンス向上だけではない価値があると考えています。

  • アウトプットすることで各エンジニアがより成長することができる
  • また、はてなのエンジニア全体の総力の向上にも繋がり、よりよいサービス開発/システム開発ができるようになる
  • もちろん社外へのプレゼンスが向上しエンジニアがはてなに興味を持ち易くなり、採用にも繋がっていく

アウトプットは得意な人だけがやればよい、という考え方もあります。ただアウトプットはそれだけではなく、それぞれのエンジニアにとっても「成長するための手段」になると考えています。

アウトプットの効用

アウトプットすることの効用をもうすこしブレイクダウンしてリストアップしてみます。

  • 自分の考えやノウハウをまとめることができる
    • 「明文化する」というプロセスを経ることで、考えを整理することができます。考えを客観的にとらえることができ、あいまいだった場所がわかったり、前後関係を整理することができます。
  • 後に自分がアウトプットしてきたものを振り返ることができる
    • 過去に自分がどういうことをしてきたか。半年前の自分は他人と同等ですので、半年後に見返す時にその時のノウハウを簡単に思い返すことができます。
  • 社内の他のエンジニアに自分がどういうことをやっているか、どういうことに興味をもっているか知ってもらうことができる
    • 皆がアウトプットしていると、仕事をする上で困ったことがでてきても、どの人に聞けばよいか、ということが分かりやすくなります。
  • 社外からフィードバックを得られやすくなる
    • 自分の考えやノウハウを社外の人が見られる場所に置くことによって、世の中によりよい解があった際に指摘してもらうことができます。もし、世の中的にも新しいアウトプットができると賞賛を受けることもできるでしょう。
    • 社内外で考えやノウハウのディスカッションを行うことで、社内へ導入する際もよりスムーズになります。
    • もちろん的を外れた指摘を受けることもありますが、そういうのは気にしないでおくのが良いです。少なくとも感情的な指摘を受けないように、他の技術を批判しないようにしておくのはよいノウハウでしょう

エンジニアとして一線で活躍し続けるための成長

まず目の前の業務上で成果を出すことも大事ですが、中長期的に一線級のエンジニアで活躍を続けるためには成長を続ける必要があります。

いろいろなノウハウを吸収し知見を溜めるようなインプットを行い、それらを業務で応用することである程度のところまでは成長することができるとは思います。ただより高みを目指すためには、世の中でもノウハウのあまりない新しい技術領域を開拓でき、社内外の他のエンジニアに良い影響を与えることができるようになる必要があると考えています。

そのためにも自分の技術やノウハウをアウトプットすることが効率が良い手段だととらえており、今後もエンジニアの専門評価の軸の一つに据えていくことを考えています。