こんにちは、アプリケーションエンジニアのid:shiba_yu36です。今回ははてなで毎週開催している社内技術勉強会で発表した「技術ブログを書くことについて」という発表資料を公開します。
今回の発表をなぜ行ったかというと、もっと気軽に自分のやったことをブログに書くといいのではという考え方を社内に伝えたかったからです。エンジニアをしていると、ブログを書くときは他の人が書いていないことしか書いてはいけない、しかも完璧に書かなければならない、というような気持ちになることもあります。しかし、ブログを書くことで自分の学習をより深め、加速することもできるので、あまり気負いせずにブログを継続して書いて欲しいという思いを発表しました。これがエンジニアのブログに関する正しい考え方と言い張るつもりはなくて、一つのブログに対する考え方として、参考になれば良いなと思います。
発表では次の3つのテーマを話しました。
- なぜここまでブログを書くのか
- 技術ブログを書くモチベーションの保ち方
- 発見したブログテクニック
以下に発表内容について簡単にまとめてみます。
なぜここまでブログを書くのか
このテーマのサマリーは、ブログを書くことはプレゼンス向上や承認欲求を満たすためだけでなくて、自分の学習を深める効果もあるということです。僕は以下の三つの理由から、ブログを書くことが学習を深めることに繋がると考えています。
- 書くことによって自分の考えがまとまる
- 書いたブログの内容について他の人に教えてもらえる
- 未来に自分のブログが教えてくれる
書くことによって自分の考えがまとまる
僕は文章を書くことによって、その内容について自分のなかで知識が整理されて、学習が深まると思っています。書籍を読んだり、他の人の技術ブログを読むことによって、内容について理解した気になりますが、実際にまとめてみようとすると筆が止まることはよくあると思います。筆が止まるということは、その部分について考えがまとまっていないということなので、さらに調査することで学習が深まる効果を得ることができています。
書いたブログの内容について他の人に教えてもらえる
ブログを公開すると、その記事に対してブックマークでコメントをもらったり、Twitterで指摘をされたりします。それにより自分が気づいていなかった知識に気づくことができ、学習が深まります。
未来に自分のブログが教えてくれる
技術の勉強をしても、大体の場合数ヶ月ほど経つとその内容についてうろ覚えになってしまいます。その時に書いたブログを見返すことで、復習になります。
また、書いた時点の知識よりさらに知識がついた状態で自分のブログを読み返すことができるので、新しい知識と合わせて読むことで新たな発見が出来ることもあります。
技術ブログを書くモチベーションの保ち方
ブログをどんどん書くと学習が深まるという話をしましたが、しかし書き続けるモチベーションをどう保つのかということは難しい問題です。僕はモチベーションを保つために、次のことを心がけています。
- すぐ書く
- 書きたいと思ったらその熱量が残っているうちにすぐ書く
- 当日〜1週間以内に書くことを心がけている
- 短く書く
- 1記事には1テーマで、できる限り短く書く
- 頑張っていろいろなことを書こうとすると、途中で力尽き、最後まで書ききれないことがある
- 大きくなり過ぎたら、適切に分割して書く
- 自分のために書く
- 今の学習のためと思って気軽に書く
- 同じようなテーマが書かれていたとしても、あまり気にせず自分の言葉でまとめる
- 見られることをあまり意識し過ぎると、完璧に書こうとして時間がかかりモチベーションが落ちたり、もし公開して見られなかった時に二度と書きたくないという思いになることがある
- 完璧でなくても公開する
- 完璧な内容にしようとすると、多大な労力がかかり、モチベーションを保てないことがある
- 未来の自分が理解できるくらいまでまとめたら、ある程度切りをつけて公開してしまう
- ただし、嘘は書かないように気をつける
- 自分は大体8割くらい完成したなと思ったら公開している
発見したブログテクニック
最後に自分がブログを書き続けていて学んだブログのテクニックについて紹介しました。
炎上を防止する
- 前提をちゃんと書く
- どういう立場で書くのか
- 何のテーマについて書いて、逆に何については書かないのか
- 事実と意見を区別する
- 意見(自分が思った・考えたこと)を、事実のように書かない
- 必要以上に主語を大きくし過ぎない
素早く書くテクニック
- 自分用の記事のテンプレを作る
- 毎回最初から構成を考えて書くのは大変
- 自分のよく書くパターンを作る
- 例えば、新しいことをやった時は、「これまでの課題」 -> 「解決策としてやったこと」 -> 「今後の課題」という流れで書くとか
- 推敲しながら書かない
- 書きながらわかり易さのチェックをせず、まず一回書き終える
- 書き終えてから推敲をする
文章を分かりやすく書くテクニック
- 理科系の作文技術など、そのテクニックについてよくまとまっている本があるので読みましょう
- ただし、スキルを学んでもそれは突然発揮できないので、継続して文章を書くことが大事
ネタ集めのテクニック
- 書きたいと思ったことはすぐにメモをする
- 自分はTrelloにTo Publishレーンを作る、Githubのprivate repositoryに書くことのメモを置いておくなどをしている
発表の後に出た質問
今回の発表にははてなにインターンに来ている人たちも参加していたのですが、その一人から良い質問がありました。「自分はブログを書いているのだけどコメントが付きません。コメントが付くためにはどうすればいいのですか?」という質問でした。
この質問に対して僕はちゃんと答えられませんでした。しかし、よくブログを書いているid:Songmuさんやid:y_uukiさんが、実際に少ししかブログを書いていないとコメントが付かないので継続してブログを書き続けるしかない、といった内容のことを言っていて、確かにそのとおりだなと感じました。僕自身もブログを1週間に1回以上書き続けて1年くらいたった時に、ようやく初めてブックマークコメントで指摘してもらえた記憶があります。
このように、そもそも指摘をうけるまで到達するのも大変なので、やはり最初はハードルを下げて、自分の学習のためと思って書き続けるのが良いのではと思いました。最初は今日やったことくらいを書くところからスタートするのでも良いと思います。
まとめ
今回は社内の勉強会で発表した「技術ブログを書くことについて」という資料を紹介しました。今回の発表でエンジニアがより気軽に自分のためにブログを書けるようになってくれたらなと思います。