セールスエンジニア 改め Customer Reliability Engineer (CRE) になりました

セールスエンジニア 改め Customer Reliability Engineer (CRE) シニアエンジニアの id:a-know です。この記事ではまだ馴染みの薄い、Customer Reliability Engineer とは何か・なぜ名称を変更したのか・CREとして はてな で働くということ、といったことについて紹介したいと思います。

(ご本人に事前に承諾をいただき、株式会社メルカリ SREチーム・@kazeburoさんが書かれた記事 に敬意を表した導入文にさせていただきました。ありがとうございます!)

Customer Reliability Engineer とは何か

Customer Reliability Engineer (CRE) という役職は、かのGoogleが先駆けて考案、発表したことはみなさんの記憶にも新しいかと思いますが、とはいえまだまだ広くは知られていない考え方ではないでしょうか。


cloudplatform-jp.googleblog.com


日本語に直訳すると「顧客信頼性エンジニア」、Google における CRE という役職は、上記の記事でこのように紹介されています。

この新たな役職に就く人のミッションは、Google と Google Cloud Platform のお客様とが運用に関して運命共同体となり、お客様が Google に委ねている重要なアプリケーションに対するお客様側の管理権限を高め、金銭的なものよりも意義のある運命を共有することにあります。
(中略)
CRE チームは、お客様の基幹アプリケーションにおける主要な要素を、コードからデザイン、実装、運用手順に至るまで綿密に調査します。


-- Google の新しい専門職 : CRE が必要な理由 - https://cloudplatform-jp.googleblog.com/2016/10/google-cre.html

もちろん、はてなにおける CRE もこれと大きく異なるというわけではありませんが、かといって全く一緒というものでもありません。

私を含むCREが在籍するチームは今のところ、サーバー監視サービス・Mackerel の開発チームになります。Mackerelの主要な顧客でありユーザーである、いわゆるインフラエンジニア・SREという肩書きで仕事をしているエンジニアは、多くの企業において少数精鋭であり、それが故にインフラの安定運用というミッションに対しても、その少ない人数のメンバーに大きな責任がのしかかっている......というのが現状だと考えています。そんなお客様に寄り添い、お客様が今置かれている状況を少しでも良いものにしていくために私たちにできることをおこなっていく、ということが、我々MackerelチームのCREのミッションになります。

とはいえ私たち・はてなは、まだまだ小さな組織です。あるお客様に向き合うと同時に、MackerelというSaaSをご利用いただいている全てのお客様とも向き合う必要があります。
目の前のお客様と向き合いながらも全てのお客様にとってメリットを最大化できるような施策を考え、行動していくことも、はてなのCREには求められると考えています。

(現時点でこそ、CREという肩書きのエンジニアはMackerelチームにのみ在籍している形となりますが、CREという働き方は、もちろんMackerelチームだけに依らない・はてな社内で共通の職種となっていきます。)

なぜ名称を変更したのか

はてな の新しいエンジニアのかたちとして、元々は「セールスエンジニア」という名前で走り始めたこのロールですが、いざ実際に業務に向き合ってみると、「セールスエンジニア」として求められることは単なるセールスにとどまらず、どんどんと多岐にわたっていきました。以下に代表的な業務を列挙してみたいと思います。

  • 顧客活動
    • 顧客へのプロダクト説明(プリセールス)
    • 顧客課題の解決提案(アーキテクチャ提案・サンプルコードの提示など)
    • デモンストレーション
  • カスタマーサクセス
    • テクニカルサポート(エンジニアとの協働を含む)
    • カスタマーサポート
    • セールスサポート
  • 技術広報活動
    • 主催セミナーの企画・立案・遂行(講師・メンター)
    • テクニカルドキュメントや技術紹介記事の執筆・メンテナンス
    • 各種イベントでの登壇・発表


これら全てを一人で担当するようなことはもちろんありませんが、単にセールスにとどまらない多様な働き方を求められる中で、職種名だけ変わることのないまま業務を遂行していくことは、様々な観点において適切ではないと考えるようになりました。

そしてこれは極めて個人的な感想になるのですが、私は元々、「セールスエンジニアとは、はてな の新しいエンジニアのかたち。その職域はまだまだ固まっていないはず」「つまり "自分がこれからやっていく仕事" が "はてなのセールスエンジニア職の仕事" になるはず」......といった気持ちで、この1年間仕事をしてきました。そのため今回のこの名称の変更は、この1年間に自分が取り組んできた仕事の結果のひとつだと、誇りに思っています。

CREとして はてな で働くということ

はてなのCREは、基本的にはエンジニアリングを武器として、顧客の成長・満足度の向上、それによるプロダクトのビジネス成長に貢献していく職種となります。

id:a-know の CRE としての主な業務は、「顧客活動」と「カスタマーサクセス」になります。特にカスタマーサクセスにおいては、前職での業務において実際に Mackerel を活用していた(もちろん今でも、一番のMackerelユーザーであるつもりです)という私自身の経験を活かし、よりMackerelを使いこなしてもらうための様々な手助けを、お客様に対しておこなっています。

先日、カスタマーサクセスに関するイベントにも登壇し、「エンジニア向け SaaS のカスタマーサクセス」についての話をしています。こちらもぜひ見てみてください。


speakerdeck.com


時には、Mackerelとは全く異なるツール・技術の質問に対して回答することもあります。そのような幅広いQA対応にも応じられるように、という意味で、お客様にも育ててもらえる職種だと思っています。


もう一人のCREメンバー・id:Soudai は、「顧客活動」と「技術広報活動」に主に取り組んでいます。特に技術広報活動に関しては、先日の builderscon tokyo 2017 でもベストスピーカーに選ばれるような発表ができる人なので、彼以上の適任はいないのでは?とも思っています。

来週開催される、Mackerel にとって初の試みであるハッカソンイベントである Mackerel Plugin Hackathon #1 Tokyo も、彼の企画・立案によるものです。


mackerelio.connpass.com


業界やユーザー層の顕在的・潜在的ニーズを鋭く読み取り、それに対して有効な企画を提案し、推進していく。こうした活動は今後より活発になっていくことと思います。

CRE として一緒に働いてみませんか?

このとおり、CREには多様な働き方が求められます。ですが、だからといってその全てが出来なければCREになれないか、というと決してそんなことはありません。
メンバーの適性やビジネスサイドからの要望に合わせて、適切なロールで働いていくことになります。このような職種は、ともするとマルチロールで過負荷になりがちです。その点は特に気をつけながら、一緒に成長していける職種にしていきたいと考えています。

はてなでは、CREとして一緒に働いてくれる仲間を募集しています。自社プロダクトを使ってくれるお客様のことを第一に考えながら、一緒になって解決策を考えられるような方からのご応募をお待ちしています。


hatenacorp.jp