AWS re:Invent 2019に今回も行ってきました

はてなでSREをしている id:dekokun とアプリケーションエンジニアをしているid:astj です。 先日(というには少し日が空いてしまいましたが…)ラスベガスで行われた AWS re:Invent 2019 に、はてなから私たち2名が参加してきました。これで、はてなとしては3年連続4回目のre:Invent参加となりました。

前回の参加レポートはこちらです。 developer.hatenastaff.com

今年のこの参加レポートでは、re:Inventに参加してきて私たちが良いと思ったこと、得られたことを振り返ってみようと思います。

イベント概要

AWS re:InventはAWSが主催する学習型カンファレンスで、今回が8回目でした。ラスベガスの複数のホテルを会場として、5日間に渡って数多くのセッションやワークショップ、展示会が行われる大規模なカンファレンスです。

この年に1回のre:Inventにあわせて、AWSからはたくさんの新サービス、新機能がローンチされます。今回もAmazon EKS on AWS FargateやGraviton2プロセッサを採用した新EC2インスタンスファミリー、機械学習系のAmazon SageMakerシリーズなど、様々な発表がありました。

f:id:dekokun:20200207121236j:plain
会場入口の写真

参加して良かったこと

前述のように、re:Inventでは様々な形式・内容のセッションやワークショップが開かれます。今回それらのセッション、ワークショップに参加して良かったことを参加した id:dekokun, id:astjそれぞれの視点からいくつか挙げます。

Keynote (記載者: dekokun)

毎年re:InventのKeynoteでは様々な新サービスの発表が行われます。これまでの参加者ブログなどを見ると皆 "Keynoteはぜひ参加して熱気を感じてほしい" と書いていたので、私も参加してきました。

f:id:dekokun:20200207122435j:plain
Keynoteの写真

実際に参加して、AWSが注力しようとしている分野のサービスの一覧がある程度網羅的に把握でき、今後どのAWSサービスを使うかの判断に非常に役に立つなと感じました。また、私はre:Inventからの帰国後、AWS Certified Solutions Architect - Professionalを取得したのですが、Keynoteで得られた網羅的な知識が試験の役に立ったなと感じています。 また、同時通訳もあり、英語に自信がない人でも聞きやすいのもありがたいところです。 Keynoteは id:astj も一緒に聞いていたため、社内のslackに感想を書きつつ聞けて楽しめましたし、"今の発表の意味よくわからない" "こういうことでは" というやり取りもでき、知識が補完できて良かったです。re:Invent行かない人も、 深夜のKeynoteを観たいので、明日出社時間ずらします というようなことを行いつつ、一緒に感想を書きつつ観ると勉強になるし楽しいと思うので、次回は社内で推進したいなと思っています。

Builders Session (記載者: astj)

re:Invent のセッションには、通常の講演形式のセッション以外にも様々な形式のものがあります。そのうちの一つが Builders Session とよばれる、少人数(~6人)の参加者で発表者を囲んで対話的に行われるものです。

今回の re:Invent では、発表されたばかりの Amazon ECS Capacity Provider に関する Builders Session に参加しました。この ECS Capacity Provider の発表は、たくさんの re:Invent での新発表の中ではあまり大きく目立たない物でしたが、これは Fargate Spot などの ECS のコンテナ実行環境をとりあつかうために今後重要になる概念です。初見では役割が分かりづらいと感じていたのですが、対話的に質問しながらその役割や目的、利用方法について学ぶことができて、とてもエキサイティングだったと思っています。また、発表時点で未実装だった(そして今もまだ未実装な気がする……)機能に関しても、実装予定や意図について話を聞くことができたのも有益でした。この機能の中身については帰国後にブログを書いていますので、興味がある方はこちらをご覧下さい。

blog.astj.space

Builders Session では紹介される機能についてのスライドや説明、デモなどが行われますが、気になる点や分からない点などがあればその場で質問やフィードバックすることができるため、気になるところを深掘りすることができる、良い形のセッションでした。少人数での開催なので希望のセッションに参加登録できないかもしれないのが難点ですが、興味のある機能に関するセッションであれば是非参加してみてほしい(し、また参加してみたい)と思っています。

今回の ECS Capacity Provider がまさに当てはまるケースなのですが、 re:Invent では、期間中に発表・リリースされた新サービスや新機能に関するセッションが会期中にどんどん追加されていきます。新サービス・新機能に関するセッションをいちはやく聞いたり、あるいは Builders Session などの場ですぐに質問・フィードバックできるというのはたいへんエキサイティングでした。 いっぽうで、会期中にもどんどん追加されていくセッションにずっとアンテナを張っておく必要があるのは大変でした。人気のサービスや機能になればなるほどセッションはあっという間に埋まってしまします。今回は、セッション情報の更新を投稿してくれる非公式の Twitter bot にお世話になりながら情報収集をしてしました。

GameDay (記載者: dekokun)

GameDayも通常の聴講形式のセッションとは異なる形式で、数人でチームを組み、チーム間で競う競技形式のものです。 運営から与えられたAWSの環境と、"こうなると何点" のようなルールが決められていて、より高得点になるようにAWSの環境を変えていく、というものです。ISUCONのAWS版のようなものというとイメージがつく方も多いかもしれません。

運営が用意したAWSの環境に手を加えていくことになり、またチームメンバーがいる競技形式ということで全力を出して上位を狙いたいという気持ちも相まって、仕事では普段触らないようなサービスに本気で触る/運用経験を積むことができ、大変学びがありました。 チーム決めは当日行われ、私は初対面の英語話者3人とチームを組んだところ、英語が全然聞き取れずめちゃくちゃ辛かったということはありました。そちらの詳細は帰国後に書いた以下ブログに記載しています。大変辛くはあったのですが、その辛さによって英語学習への熱意が大変高まり、毎日の英語学習の原動力になっています。

dekotech.dekokun.info

実はGameDayですが、re:Inventまで行かなくても最近は日本国内でもたまに開催されています。ちょうど先日も東京/大阪で開催されていました。 非常に学習効果の高いイベントだと感じていますので、日本で開催され英語の不安のない状態で参加できるのは非常にありがたいですね。

部屋を間違って入ったセッション (記載者: dekokun)

聞こうとしていたセッションではないセッションに間違って入ってしまい、普段使ってるサービスでもなかったのですが面白かったので最後まで聞いていました。 発表資料はこちら: [REPEAT 1] Mastering AWS Lambda streaming event sources Kinesis/DynamoDB streamsの機能改善についてのセッションで、内容はそこまで派手ではないのですがこれを知っているとKinesisの運用が結構便利になる場面がありそうだと感じたため、帰国後更に調査して社外発表及び以下ブログ執筆につなげることができました。

dekotech.dekokun.info

このような偶然の出会いがあるのは現地に行ってならではだと感じます。

まとめ

上記からわかるように、re:Inventに参加する価値として、普段仕事でふれることのないサービス群の知識を得たり実際に触ったりする時間が与えられることでの幅の広がりのようなものが、re:Inventに参加することで得られる価値の一つかなと感じています。 今後参加する方々も、"まさに今自分がプロダクションで使っている技術の実益"にあまりこだわらず、様々なものに参加していくとよりよいre:Inventになるのではないでしょうか。 とにかく私達としては、めっちゃ良かったのでみんないこう!という気持ちでいっぱいです。

おまけ

会場内の休憩コーナーでした。

f:id:dekokun:20200207122447j:plain
休憩コーナー