日報を継続する方法があったら教えて欲しい、id:Songmu です。最近はMackerelチームのディレクター兼デベロッパーをやっています。
リモートワークと情報共有
Mackerelは、8名程度で開発しており、開発メンバーは京都・東京・愛知の3拠点に散らばっており、リモート勤務も各自の裁量で行えるようになっています。
リモートワークにおいては細かい情報共有をなるべく労力をかけずに行うことが必要になりますが、そのために以下のようなツールを利用しています。
- 開発手法としてスクラムを採用
- Hatena::Groupによる情報共有
- Github/Zenhubを用いたプロジェクト管理
- Slackでのチャットコミュニケーション
- Zoomによるオンラインミーティング
Mackerelチームでは、Hatena::Group上で日報を書くことを推奨しており、今回はその話です。
Mackerelチームの一日の流れ(簡略版)
- 10:20-10:30 zoomを用いたチーム朝会
- 10:30-18:50 開発
- 18:50-19:00 日報書いて帰宅
Mackerelのチーム朝会はzoomを用いている以外は、トラディショナルなデイリースクラム形式を取っており、各自が以下の3点を手短(1分以内)に話すというものです。
- 昨日やったこと
- 今日やること
- 困っていること(その他共有事項)
ただ、この3点を手短に話せと言っても案外難しいものです。結果として各自がだらだら話してしまい、朝会が徒に長引いてしまうなどの問題が発生してしまうことがあります(ありました)。
ですので、Mackerelチームではそれらを事前にまとめておくために日報を書くことを推奨しています。実際、日報を書いたほうが振り返りになるし、自分が次にやることが明確になって良いと多くのメンバーが言っています。
Mackerelチームの日報フォーマット
ベースとして以下のアウトラインで日報を書いてもらっています。
- 今日やったこと
- 明日やること
- 気になっていること・困っていること
- ふりかえり・雑感・自画自賛
- その他・共有事項など
デイリースクラムにおける基本の3項目に加え、単に報告だけじゃなくて雰囲気の共有もしてもらいたいので、 雑感や自画自賛、その他の共有事項なども書いてもらうようになっています。以下の様なことを意識してもらっています。
今日やったこと、明日やることにプロジェクト以外のタスクも書く
以前はチームのタスクのみを書けば良いと思っていたのですが、今はチームのタスク以外のことも入れてもらうようにしています。ちゃんとチーム以外のタスクを伝えてもらって妨害リストをチームで意識したほうがいいなーと思ったからです。
「困っていること」の重要性
プロジェクトを回していく上で、各人がちょっとでも「困っていること」をあぶり出すのは大事だと思っています。問題が小さい火のうちに消し止めておいたほうが良い場合が多いからです。また、現状は特に何の対処もする必要がなさそうな問題であっても、そういう問題を抱えているということをチームに共有しておいたほうがコミュニケーションがスムースになったり、その他の問題の兆候をつかむことも早くなったりすると思っています。
特に責任感が強く問題を抱え込む傾向の強い人は「ちょっとやばい気がするけどまだ大丈夫だろう」とか思ってしまい、特に周りに困っていることを伝えなかったりすることがあります。そのまま特に問題が無かった場合はいいのですが、いざ問題が顕在化した時には本当に大きな火になってしまっていることも多かったりします。というか僕もその傾向がある人間なので、自分で書いていて耳が痛い。
なので、チームメンバーには意識的に「困っていること」を考えてほしいと思っていて、ちょっとした事でも書いてほしいと思っています。「まかないランチがカレーだとつい食べ過ぎてしまって午後眠くて困る」とかそういうことが書いてあると安心する、みたいなのがあったりします。
日報の項目に「自画自賛」を設けているのも、「困っていること」を考えすぎてネガティブになり過ぎないように、逆にちゃんと自画自賛することを意識付けして欲しい、という狙いがあります。
日報を書いてもらうための取り組み
日報を書いてもらうためにSlack上で以下の様なことをやっています。
- 終業時間前にbotにリマインドしてもらう
- メンバーのHatena::Groupへの投稿をSlackに通知する
こういう風にSlackに流れてくると「おっと自分も日報を書くか」という動機付けになって良いです。ただ、これだけやってても僕は日報を書かない日があります…。
朝会issue
少し蛇足になりますが、朝会issueについて書いておきます。朝会はチーム全員が毎日出られるとは限らないので、これも共有のためにgithub上でissue化しています。事前に画像のような朝会issueを作っておいて、司会と書記を持ち回りで行ないます。書記の人がコメントを書き足して、朝会が終わった後にissueをcloseするようにしています。
日報があればデイリースクラムは不要では?
さて、これだけしっかり(?)日報を書いてもらうようにしていれば、毎朝のデイリースクラムは不要なのではないかと思うかもしれません。実際そう思って、朝会において全員が話すのをやめていた時期もありました。ただ、以下の様な理由により、現在は全員に話してもらうようにしています。
- デイリースクラムがあるからこそ、日報をしっかり書く動機付けになる
- 日報を書けない日もあるし、問題を抱えている時ほど日報が疎かになりがち
- 全員に朝会で実際に手短に話してもらうことで、各人の雰囲気をチームで共有できる
Mackerelチームにおいては、日報とデイリースクラムは相互補完的な役割を果たしていると言えるでしょう。
はてなは新しいメンバーを募集しています
今回の記事に書いたように、はてなは会社として柔軟性を高めるためにも、リモートワークなどにも本気で取り組んでいます。より多様なバックグラウンドの人と一緒に本気で楽しく働けるような面白い会社にどんどん成長してくと思うので、興味があれば是非ご応募ください。