こんにちは。はてな アプリケーションエンジニアの id:sakahara です。はてなでは色々な経歴のエンジニアが働いているのですが、私は「SIer→フリーランス→アプリ開発会社→フリーランス→はてな」という流れで、かなりの紆余曲折を経て現在に至ります。
このエントリーでは、私がはてなに入るまでの経歴と、入社半年の私から見た「はてなの仕事環境」をご紹介します。「こんな経緯ではてなに入ったエンジニアもいるんだ」と感じていただければ幸いです。
SIerに就職して壁にぶつかる
もともと生まれも育ちも広島、社会人としてのスタートも特に迷うことなく、地元広島のSIerに就職するところから始まりました。
恥ずかしい話ですが、当時はSIerが何をやっているところなのかを具体的に把握していたわけではなく、「プログラマとしてバリバリ活躍できればどこでもよい」と思っていました。
ですが、現実は甘くありません。入社してすぐ壁にぶつかりました。その会社は、プログラマは格下で、やがてマネージャになってコードは書かなくなる……という世界観でした。
そんなとき、「はてな」という変わった名前の会社が、面白いサービスを立ち上げて話題になっていたことを知りました。自分が置かれている環境と、はてなのエンジニアたちが活躍している世界とのギャップに悩みながら、純粋に憧れを持つようになります。
ただ、当時の私は、はてなで働くことになるとは夢にも思っていませんでした。
Objective-Cを独学で学び、アプリで最初のヒットを飛ばす
最初に入ったSIerでは幸運にも、Javaでの業務システム開発などの仕事でメインのエンジニアとして働く機会に恵まれました。もともと好きだったプログラミングの仕事に没頭したおかげで自信もついたため、一念発起してフリーランスのエンジニアになりました。
とはいえ、「自分はこのままでいいのか!?」と悩み続けているのは変わりませんでした。その度によくはてなのことを思い出していたものです。
そんなころ、iPhoneが登場します。
日本で発売されたiPhone 3Gをすぐに購入して、仕事の合間を縫って独学でObjective-Cを勉強しました。苦戦しながらもなんとかリリースしたお天気アプリ「テンキくん」は、幸運にも10万ダウンロードを超えるヒットとなりました。シンプルなアプリなのですが、当時はそういったシンプルなお天気アプリがあまりなかったのが受けた理由かなと思います。
再度フリーランスを経て、はてなへ
これがきっかけで「アプリ開発をもっと集中してやりたい」と思うようになり、広島でアプリ開発ができる数少ない会社に再就職。担当したアプリの中には、iPadで無料総合1位、iPhoneで無料総合3位となったものもあります。
その後、もっと自分の思いを反映できるものを作りたいと、再度フリーランスに戻りました。さらに起業することも検討したのですが、「いや、起業しなくても、自分の作りたい方向性のサービスやアプリが作れる会社に入ればいいんだ」と考えを変え、良い会社はないかなと探し始めました。
最初は東京の会社ばかり頭に浮かびましたが、ふと、広島から見ると東京よりも近い京都に、自分の憧れていた会社があるのを思い出しました。
こうして、はてなを受け、現在に至ります。
はてなの仕事環境
はてなに入社して、半年が経ちます。
入社後すぐ、はてなの新しいチャレンジである「Presso by はてなブックマーク」のiOSアプリ開発を担当しました。これまでのユーザーとは別の層へリーチしていくという新しい試みは、入社前からトライしてみたいことの1つだったので、とてもありがたいと思っています。
Pressoの開発はアジャイルで、ディレクター/サーバーサイドエンジニア/デザイナーとのチームで取り組みました。各メンバーが優秀なおかげもあり、フリーランスのころとは違って開発部分に集中し、スピーディーに進めることができました。
現在も新しい機能をどんどん追加している真っ最中。今後のPressoにも是非ご期待ください。
入社半年の私から見た「はてな」の仕事環境は、以下のような感じです。フリーランス時代と比べても、とても働きやすい環境だと思います。
- GitHub Enterpriseを導入しており、開発効率の向上やタスク管理などもスムーズに行う仕組みが整っています。
- 社内のエンジニアの大半は20代と若いです。若いのですが、それぞれ得意分野はもちろん、それ以外の分野も十分にこなすことができる、守備範囲の広い優秀なエンジニアがそろっています。
- コードレビューがしっかりしています。「週に一度、必要な部分だけをコードレビューする」というような中途半端なものではなく、「プロダクトとしてリリースするコードは全てコードレビューする」という考えで行われています。
- 保守性の高いきれいなコードを維持できるよう細かい部分までチェックするプロセスは、品質を担保する方法としてとても参考になります。
- 中途入社でも最初からスムーズに業務を行えるよう、2週間ほど研修期間がありました。研修期間中はメンターにいつでも質問できる体制で、はてな研修用教科書を使って研修を受けました。
- 分からないことはその都度メンターに質問しつつ、Perlの知識ゼロの状態からサーバーサイドの知識を体系的に学びました。アプリ開発では直接的に触れてこなかったものを気軽に学べる機会になりました。
エンジニアとしてのキャリアと「はてな」
私は現在36歳。「35歳定年説」を超えて、今でもばりばりコードを書くことができる環境に身を置き、現役プログラマとして頑張っています。
はてなでは「スペシャリストコース」という、エンジニアとして活躍し続けられるキャリアも用意してあります。ばりばりコードを書くキャリアを積みたい方には最適な場所です。
自分自身の5年後、10年後を見据えたキャリアプランについては(良いか悪いかは別として)あまり深く考えていません。1年後、2年後でも予想するのが難しい業界なので、あまり先を決めすぎない方が良いと思っています。
直近の課題に重きを置く方が重要で、「新しいサービスをエンジニア主導で生み出していく」など、すぐにでも行動できることをどんどん実践していくことが必要と考えてます。
エンジニアとして幸せなことの1つは「思いついたアイディアをすぐに形にしていけること」だと思うので、そういうことができる環境に身を置くことはとても重要です。そういう意味でも、はてなは最適な環境だなあと感じます。
アプリエンジニア募集中!
課題もあります。スマホアプリを作っている会社として、はてなは一般ユーザーさんの認知がまだまだ足りないのが現状です。私が先頭に立って、ここを改善していきたいなと考えています。
というわけで、はてなでは私たちと一緒に働いてくれるiPhone, Androidアプリエンジニアを募集しています。皆様のご応募をお待ちしております。
また、「はてなサマーインターン2014」ではiOSアプリ開発の講師をやります。はてなでサービス/アプリ開発をやってみたい方は、是非ご応募ください。詳しくは「はてなサマーインターン2014の募集を開始しました! - Hatena Developer Blog」をご覧ください。〆切は2014年7月7日(月)正午です。