こんにちは。2019年にはてなに新卒入社した id:yigarashi です。本記事では、新卒入社エンジニア向けに行われたサービス開発研修の様子をお伝えします。新卒から見てよかったポイントなどを重点的に振り返り、社内外問わず、何かしら今後の新卒研修の参考になればと思います。
サービス開発研修の概要
今年度行われたサービス開発研修は、ディレクターを務める社長 id:chris4403 のもとで(!)、新卒エンジニア4人が新しいサービスを考えて開発するというものです。合計作業時間は50時間ほどで、他のオリエンテーションと並行して行われました。短期インターンでよくあるハッカソンのような雰囲気を想像してもらえれば、大きく外れることはないかと思います。
作ったもの: はてなボード
今回の研修でははてなボードというサービスを開発しました。これは、ひと昔前の駅によく設置されていた、自由に書き込み可能な伝言板をWEB上に再現したものです。ユーザーは自由に伝言板を作って公開することができ、誰でもそこに書き込むことができます。サービスのポイントは、伝言板の書き込みできる領域が限られていること、そして他人の書き込みを勝手に消せることです。駅の伝言板だから当然ですね。そうした無秩序な場が面白いコミュニケーションを生むのではということで、社長のゴーサインが出ました。下の画像は、実際にサービスを社内に公開して遊んでもらったときの様子です。
自分の書き込みが勝手に変えられてどんどん無秩序になっていく様子は割と面白く、急ごしらえのサービスにしては楽しんでもらえたかなと思います。
実際の開発は、技術選定からアーキテクチャの設計、開発の進め方まであらゆることを新卒4人が中心になって決めています。はてなボードはSPAとして実装されており、インフラ担当、フロントエンド担当、サーバーサイド担当と分かれて開発を行いました。担当者間のやりとりも比較的スムーズに進み、それぞれが十分に力を発揮できた開発研修だったのではないかと思います。
新卒から見て新卒研修はどうだったのか
終わってみると1週間ほどわいわい開発をさせてもらって非常に楽しかったという印象ですが、新卒研修としてはどうだったのかということで、少し真面目に振り返ってみます。
まず第一に、同期との結束力が非常に高まりました。一緒に開発をすることで自然と会話が生まれましたし、チーム開発を通してお互いの強みを知ることができたように思います。研修を始めた当初はお互いほぼ初対面でガチガチの固い雰囲気でしたが、最終日近くになると、朝廊下で会って「そういえば‥‥」と気軽に実装の相談ができるような間柄になっていました。これは、座学の研修では得られない大きな成果だったと思います。
第二に、余裕を持って会社の仕組みに慣れたり暗黙知を吸収したりできました。新入社員にとって、会社は新しいことづくめです。昼食ひとつとっても覚えることがたくさんあり大変です。その上、個別の業務に早速たずさわるとなると大きな負担があったのではないかと思います。その点、サービス開発研修中は個別の業務に関わらないため、技術と関係のない会社の仕組みや暗黙知などに集中することができ、スムーズに会社に馴染むことができたのではないかと思います。ここでとても重要だったのが、研修の開発チームにアルバイト等を経て既に会社に詳しい人がいたことです。ちょっとした疑問を対面の会話ですぐに解決できる状況が自然と作られていて非常に助かりました。
最後に、リスクを負わずに多くの失敗を経験できました。新卒4人で開発を回すわけですから、当然大きな失敗をたくさんします。開発環境のDBスキーマを勝手に変えて他の人がテストできなくなったり、甘いレビューで開発を進めていつの間にか master ブランチのコードが動かなくなっていたりと、語り始めればキリがありません。こうした失敗から学ぶことはたくさんあり、非常に貴重な体験だったと思います。一方で、こうした失敗を業務のサービス開発でしでかしていたらと思うと肝が冷えます(そもそも、こういう失敗をしない仕組みというのがたくさん用意されているとは思いますが)。サービス開発研修という誰にも迷惑のかからない場で、業務を模したチーム開発を試せたことは極めて有用な体験でした。
まとめ
以上、2019年新卒向けサービス開発研修のレポートでした。実際にサービス開発を行うプログラムの紹介と、それに対して新卒がどう感じたのかという振り返りをまとめてみました。この記事を通して何かしら新卒研修の知見をお伝えできていたら幸いです。