中途入社エンジニアが体験した、はてなにおけるオンボーディングの実例

中途入社エンジニアが体験した、はてなにおけるオンボーディングの実例

こんにちは。マンガアプリチームのiOS/Androidエンジニアid:tokizuohです。今年の5月に中途入社しました。本記事では、私がはてな入社後に受けたプロジェクトチームのオンボーディングについて振り返ります。

本記事の目的は、はてなのエンジニア受け入れ体制の事例を共有することです。業界的にもオンボーディングに関する記事はまだまだ少ないと感じていて、より良いオンボーディングを行うことができるように情報共有の一環として執筆しました。

本記事では、 新規加入者がチームに馴染むための施策のことを、オンボーディングと定義します。具体的な期間は、入社してから、プロジェクトのGitHubリポジトリに初めてプルリクエストを送るまでとします。ゴールを作ることはモチベーションに直結すると考えているため、プルリクエストの作成を明示的にゴールとします。

1. 受け入れ担当によるオンボーディングの説明

最初に、受け入れ担当者からオンボーディングの説明を受けました。ここで、プロジェクトのGitHubリポジトリにある「Welcome Issue」が共有されます。

Welcome Issueのスクリーンショット
最初に共有されるWelcome Issueの例

このIssueにはプロジェクトの導入や、プロジェクトに馴染むためにオンボーディングで実施するタスクの一覧が記されています。例えば以下の項目がありました。

  • Slackチャンネルの招待を受ける
  • Apple IDなどのアカウントの発行
  • Xcodeなどの開発に必要なツールの導入
  • プロジェクトのGitHubリポジトリのビルドなどの環境構築

これはGitHubのIssueテンプレートを利用して生成されたもので、オンボーディングタスクの雛形を事前に用意しておき、個人や職種に応じてカスタマイズしています。

2. オンボーディングタスクをこなす

受け入れ担当の説明が終わった後は、Welcome Issueにあるオンボーディングタスクをこなしていきます。不明点や困ったことが出た場合には、メンターやプロジェクトメンバーに都度相談ができました。

はてなにはエンジニアメンター制度があり、全てのエンジニアにメンターが付きます。メンターに技術的な質問をしたり、プロジェクトメンバーに協力を仰いでタスクを一緒に進めることができます。相談ごとを気軽に聞けるこの体制のおかげで、迷子になることもありませんでした。

また、はてなのマンガアプリチームではiOSとAndroidのエンジニアに壁はなく、同じチームとして仕事をしています。加えてエンジニアだけでなく、デザイナーやディレクターとも柔軟にコミュニケーションを取ることができます。

3. ディレクターによるプロジェクトの説明

続いて、プロジェクトを取りまとめるディレクターから、プロジェクトについての説明を受けます。具体的にはプロジェクトの位置付けや、プロジェクトを進行していく上で何をゴールとしているかといった話がありました。

プロジェクトに関わる上で、目的やゴールは日々の開発のモチベーションに直結すると考えていて、オンボーディングの中でプロジェクトの説明を受けることはとても重要だと感じました。

4. 初めてのプルリクエスト作成

最後にプロジェクトに慣れるため、軽微な開発タスクを行います。私の場合は、iOSの画面遷移処理の作成でした。

前職ではUIKitがメインのプロジェクトを担当していましたが、はてなで担当するプロジェクトはSwiftUIがメインのため、プロジェクトに慣れることに加えて、SwiftUIに慣れる目的もありました。

初めてのプルリクエスト作成を通して、前職との技術的なギャップを埋めるための歩みを進めました。

オンボーディングを振り返って

以上でオンボーディングは終了です。振り返って以下の良い点がありました。

  • タスクが一覧になっていて進行具合が分かりやすく、「次は何をやればいいの?」と悩むことがなかった
  • メンターやプロジェクトメンバーに相談しやすい雰囲気があり、不明点が浮かんだ際はすぐに相談できた
  • 本格的に開発を行う前に、プロジェクトの目的・ゴールの説明を受けて、プロジェクトの意義を知ることができた

また、雑談でdotfilesを整備し始めたことをSlackに投稿したところ、アプリチームメンバーやメンバー外からもdotfilesを見せ合うイベントが発生してワイワイできたり、プロジェクトのウェルカム感を感じることができたことも良かったと感じています。

一方で、以下のような改善点も挙げられます。

  • ドキュメントの量が多く、目的のものを探すことに時間がかかる
    プロジェクトメンバーがあらかじめピックアップしたリストがあると良さそう
  • Slackへの招待など、自動化できる項目がまだまだある

はてなでは、今後もより良いオンボーディングを行っていきます。

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