「一番の下手くそ」かもしれないけれど、未経験の業務に飛び込んでみる | はてなで働く kmuto にアンケート [#25]

はてなで働くエンジニアにアンケートシリーズ第25回は、MackerelチームのCRE、id:kmutoに話を聞きました。

「一番の下手くそでいよう」という本の一節から異なる環境へ

── Q1. はてなidとその由来を教えてください

はてなidは kmuto です。

大学の研究室配属時のUNIX(SunOS)アカウント発行ルールが「名1文字+姓」だったため、「Kenshi Muto」→「kmuto」となりました。以来、どこでもこの文字列を使っています。

はてなidとして取得したのは比較的最近のことなので、他の人が使っていなかったのは幸運でした。呼ばれるときには、kは除いて普通に「むとー」さんですね。

── Q2. いつどんなきっかけで入社されましたか?

2022年11月に中途入社しました。

前職は技術系書籍の制作プロダクションで、編集・DTP・情シス・フルスタックエンジニアリングとマルチロールを担っており、著者や訳者となるエンジニアとの関わりも多くありました。また、個人としては、Debian Projectの開発者や、書籍制作に関連するOSS(Re:VIEWなど)の開発者としてこれまで活動してきて、フリーソフトウェア・OSSの方面でも長い付き合いがあります。

私の好きな本で行動原理の1つにもなっている『情熱プログラマー』(オーム社)の中に「一番の下手くそでいよう」という一節があります。自分よりもずっと優れていると思う集団の中に身を置くことで、思考や行動が感化されて成長できる、という意味です。

制作プロダクションで制作やエンジニアリングをする日々はコンフォートゾーンではあったのですが、残りそう長くない仕事人生を考えたときに、「一番の下手くそ」かもしれないけれども、いちITエンジニアとして別の会社に飛び込んで働いてみたいという思いが強くなりました。

とはいえ、本を読んで知識がある・制作過程で少し触ったことがあるという程度で、先端的なエンジニアリングの世界において即戦力となるのは、さすがに無理があります。

技術力の高いエンジニアの多い環境で、未体験の業務ではあるもののこれまで培ってきた技術や経験をある程度活かせて、プロダクトのコードに関わってユーザーを直接支援できる――そんな職はそうそう見つからず諦めつつあったのですが、転職サイトからふと舞い込んできた求人情報を端緒に、今はMackerel CRE(Customer Reliability Engineering)チームの同僚である id:missasanエントリーを読みました。「CREの仕事、これから発展していって面白そう!」が第一印象で、そこからカジュアル面談、応募を経て入社に至っています。

CREチームの「Engineer」成分が強化されてきている

── Q3. 現在の仕事を教えてください

Mackerel CREチームにはカスタマーサクセスユニットとテクニカルサポートユニットの2つがあります。そのうちカスタマーサクセスユニットのメンバーとして、Mackerelをご利用中・あるいはご利用を検討中のお客さまに、Mackerelを活用したビジネスの成功(サクセス)を支援しています。

具体的には、Mackerelの導入を検討中のお客さまとの商談に同席しての技術説明・質問回答、導入をスムーズに進めるためのオンボーディング支援、導入後のお客さまへの定期的なフォローアップが主な担当業務です。

また、お客さまからのご質問やご要望に基づいて、機能実装を開発チームと協議したり、スクリプトなどで簡単にできそうなものであれば実装してご提供したりすることもあります。

そのほか、前職の杵柄で、CREや開発チームが作成するヘルプや告知などのドキュメント類に目を通して、公開前の品質管理をしています。

── Q. チーム内の立ち位置を教えてください

CREチーム自体もうまくサクセスしていきたいので、CREチームのカスタマーサクセスユニット内だけでなく、もう1つのユニットであるテクニカルサポートのメンバーとも密に会話したり、テクニカルサポートの調査にくちばしを挟んだりしています。自分が介在することでチームがなんとなくまとまり、気軽な相談相手の立場になれているといいなと思っています。

CREチームのテックリードとして、チームの技術選定に関わるほか、技術グループの方針をチームに伝達する、あるいは逆に「MackerelのCREチームはこういうことをやっています」と社内にアピールする、といった活動もしています。機能実装などでは先駆として背中を見せる行動を取ることで、CREチームのEngineer成分が全体的に強化されてきていると感じます。

── Q. 1日の仕事の流れを教えてください

朝8時頃に始業して、休憩の2時間で昼食や食材の買い出し、夜7時頃に終業、がおおよそ普段のサイクルです。

日中はCREチームの毎日の昼会のほか、日によってCREチーム定例会、サクセスユニット会、開発チームとの機能検討会、社内横断の会合であるセキュリティ会、エンジニアメンターグループ会など、毎日何かしらのミーティングがあります。

もちろん、商談の同席依頼やお客さまのヒアリングなどもどんどんカレンダーに入ってきます。そのため、集中することが必要な作業(ドキュメントの新規作成や技術勉強)は割り込みの少ない朝の時間帯に行い、日中はミーティングの合間にレビューや調査・提案検討、夕方以降は時間があれば開発設計やコーディング、といった具合に時間帯によってタスクを切り替えています。

カスタマーサクセスとしてお客さまとの商談に臨み、技術的な挑戦をする

── Q. 最近うまくいったことは何ですか?

入社して1年が経過し、カスタマーサクセスとしてようやく落ち着いてお客さまとの商談に臨めて、説得力のあるご回答・ご提案ができるようになってきたかなと感じます。

開発チームと協力して、Mackerelのサイドメニューの日本語化や、Oracle Linuxへの対応などを進めたり、Goプログラミングの指導を受けながら途切れ監視プラグインを開発したりなど、技術的挑戦も実を結んでいます。

また、業務とは異なるのですが、エンジニアやデザイナーの方々を横断的に巻き込んで、皆で作った書籍を技術書典15で頒布できたのは良い体験でした。

developer.hatenastaff.com

── Q. 最近うまくいっていないと感じることは何ですか?

長くサーバー運用経験を持ち、かつお客さまから直接お声を聞く立場としては、お客さまのお困り事に「わかる~」と共感することがとても多くあります。

とはいえ、諸事情でそのまますぐには実現できないことも多く、別の回避策をご提案せざるを得ないときには、心苦しい気持ちを覚えます。

解決策や妥当な代替策をもっと提案できるよう、お客さまと私たち双方の成功のために必要な機能提案、具体的なコードPR、Mackerelの手の届いていないところやMackerelとほかのサービスとの隙間を埋めるツールの開発といった行動で対応していきたいと思っています。

「学び、考え、育つ」ことが常に期待される環境

── Q. 普段大切にしていることは何ですか?

チームにもお客さまにも、誠実でプロフェッショナルであろうと努めています。

また、自分自身の仕事を誰かが代替できるようになっていることも大切だと思っています。私の内部記憶領域があまり大きくないので、外部記憶に置くことを兼ねて、なるべく脳内をダンプして共有しておく(少なくとも他の誰かがそれを見ればヒントになる)ことを心掛けています。

あとは心身の健康にも気をつけていますね。

── Q. はてなはどんな会社ですか?

「学び、考え、育つ」ことが常に期待される環境だなと思います。社員をどのように育てていくかについて真摯に考えている様子をうかがえますし、そのやりとりのプロセスもオープンですね。

はてなの創業の歴史から、テキストで残す文化を強く感じています。ストックというよりはフローの集合体なのかもしれませんが、それでもテキストをたどっていけば、いろいろなことがわかります。私もテキスト大好き人間なので、日誌やマニュアルなど日々たくさんテキストを作成しています。

最初に「自分よりもずっと優れていると思う集団の中に身を置く」という話をしましたが、その体験をするのに最適だと思っています。


CREは、はてなのMackerelチームにおいて新しくてチャレンジングな職種。お客さまが抱える真の課題にフォーカスし、共に技術を軸として解決を図っていく仲間を募集しています。ご連絡をお待ちしております!

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