こんにちは、技術グループ長の
id:daiksy です。
Hatena Developer Blogの連載企画「卒業生訪問インタビュー」では、創業からはてなの開発に関わってきた取締役の
id:onishi、CTOの
id:motemen、エンジニアリングマネージャーの
id:onkが、いま会いたい元はてなスタッフを訪問してお話を伺っていきます。
今回から、はてなのエンジニア組織の責任者である技術グループ長の
id:daiksy もこの連載の担当に加わることになりました。前職に居た時に出させていただいたことのあるこの企画に、はてなの人として戻ってくるのは不思議な気分ですが、よろしくお願いします。
id:daiksy が担当する第19回のゲストは、クラウド人事労務ソフト「SmartHR」など提供する株式会社SmartHRのCRE部/CREユニットでプロダクトエンジニアとして活躍している
id:a-knowさんこと、井上大輔さんです。
a-knowさんは2016年にはてなの「Mackerel」を担当するセールスエンジニアとしてご入社、2017年には当時まだ職種として新しかった CRE(Customer Reliability Engineer )として名称を変更・役割を再定義するなど、CREの立ち上げから関わり、Mackerelの成長に大きく貢献してくださいました。
2021年2月にはてな卒業後、テストツールを提供するオーティファイ株式会社などを経て、2025年3月から株式会社SmartHRで活躍されています。
今回は
id:a-knowさんに、SmartHRさんでの現在のお仕事のほか、はてな卒業後に外資系企業で働かれたご経験や、現在お住まいの岡山のコミュニティについて、a-knowさんのCRE観などについてお話をお伺いしました。
井上大輔さん(
id:a-know)
2016年7月~2021年2月 はてな在籍
X:https://x.com/a_know
blog:えいのうにっき
- はてなを卒業してから外資系企業へ
- ソフトウェアエンジニアに戻った理由
- SmartHRで三度目のCREの立ち上げ
- CREの役割と評価
- 地域コミュニティと地元・岡山へのこだわり
- いまのはてなはどう見える?
はてなを卒業してから外資系企業へ
今回から、onishiさん、motemenさん、onkさんに加えて、daiksyも聞き手として連載に関わらせていただくことになりました。お話したい卒業生ということで、Mackerelで一緒だったa-knowさんをリクエストさせていただきました。今日はよろしくお願いします!

id:a-knowこと、株式会社SmartHR プロダクトエンジニア 井上大輔さん
a-knowさんにお話を伺えるということで、はてな時代も含めたCREという職種でのご経験といまのSmartHRさんで取り組まれていることについてがメインのテーマになるかなと思ってます。
まずは21年にはてなを卒業されてからについて改めてお聞かせいただけますでしょうか。
はい。はてなを卒業して、Autifyというテストツールを提供しているスタートアップにカスタマーサクセスエンジニアという肩書で入社しました。
そうです。創業者は日本の方ですが、本社はUSで、コミュニケーションも英語でした。入社した当時はグローバルで20人くらいの規模でした。
カスタマーサクセスエンジニアとして入社されて、徐々に役割が変わっていったというお話を聞きました。
20名規模のスタートアップでしたので、全方向でいろんな役割が足りないみたいな時期だったこともあり、その場その場で必要な役割に合わせて肩書きを変えていくような感じでしたね。カスタマーサクセスエンジニアの次は、カスタマーサクセスマネージャー、いわゆるCSMと呼ばれるようなこともやったり、最終的には、ソリューションアーキテクトというセールスに寄ったような役割を担うようになったりという感じで、2年半いろいろ経験させてもらって過ごしていました。
そこから、声をかけてもらった外資のSaaSに入って、そこでもプリセールスや、プロダクト担当のセールスエンジニアなど、ビジネスサイドの役回りとして入社しました。そこには1年半在籍しました。

id:daiksy
はてなでは、仕事で英語を使う機会がほぼなかったと思うんですが、a-knowさんは当時から英語は勉強されてたんですか?
いやいや、勉強らしい勉強は全然してなかったですよ。Autify以降ですね。
Autifyでは、コミュニケーションは基本的に英語ではありましたが、創業者は日本の方ではあったので、勉強しながら頑張ります、という姿勢についても理解をしていただけたので、なんとかついていってましたね。
その次の会社では上司もシンガポール在住のイギリスの方だったので、完全に「外資!」って雰囲気だったと思います。
入社していきなり 1on1 とかが英語で行われるわけですよね。どういう感じかイメージがつかない...
そうです。いま思い出しても変な汗をかくぐらいでしたよ(笑)。ただ、やっぱりそこは向こうも百も承知なんですよね。僕もそうでしたが、日本人のなかで、英語をネイティブレベルで話せる方ってそこまで多くないということをよく知っていて。あと、これは経験して一番感じたことなんですが、海外の方から見れば、日本というマーケットを攻めるにあたって日本語が話せる人自体が貴重なので、日本語が話せるということは武器になるんですよね。
日本で販路を拡大するときに日本の商習慣がわかる日本語話者がいることは重要って言いますしね。
そうです。英語が苦手かもしれないけど、日本での展開においては頼ってもらってる雰囲気は常に感じてました。
特に、前職の場合は、USで作られたものを日本でしっかり拡販することを求められていたので、僕の所属していた日本支社は営業拠点的な立ち位置だったと思うんですよね。日本企業か外資かという違いより、そこがこれまで自分が経験してきた会社との大きな違いで、雰囲気や求められる役割に影響した部分かなと思います。
いつかは海外の会社で働こうとは以前から考えてらっしゃったんですか?
いえいえ、まさか自分がそういうところに行くとは思っていませんでした 。
ただ、ひとつのきっかけとしては、やっぱり新型コロナウイルス感染症の流行の影響があったと思います。
外出自粛によって、一気にフルリモートに切り替わるなど、働き方がある意味強制されるようなことがあったなかで、働く場所による制約ってどんどんなくなっていくのかなという予感はあって。自分は岡山に住んでいて、今後もそこを拠点に働いていくことを前提としたときに、世界的にフルリモートで働くことが当たり前になれば、言語という壁さえ乗り越えることで、自分が所属できる可能性のある組織の対象が日本から世界中に広げられるかもしれないと思ったんです。そこで、選択肢を広げるために一大決心をしてAutifyに入りました。
当時は今のように、日本企業でもフルリモートが浸透する流れがここまで広がるとはあんまり想像しておらず、むしろどちらかというと悲観的だったので、余計海外へ目が向いたところはありましたね。
入ってみると岡山で働いていようが、東京で働いていようが、海外から見たら「日本」でしかないんだなということも実感して、さらに岡山を拠点に働き続けるうえでの可能性が広がったと思いました。
ソフトウェアエンジニアに戻った理由
外資の2社でのビジネスサイドの職種を経て、今年からソフトウェアエンジニアとしてSmartHRさんに入社されたということですが、改めてエンジニアに戻られた理由も含めて経緯などお聞かせいただけますか?
職種を変えたきっかけは、AIの盛り上がりですね。ここ1-2年の変化って本当にすごいじゃないですか。前職に居た時から、AIの波は自社プロダクトにも影響を及ぼしていて「AIエージェント機能」みたいなものがどんどん実装されていたんです。
これまでは自分のエンジニアとしての経験の延長線上のような感覚で「こういう機能があると、こういう課題が解決されたり便利になったりするんだろうな」いうことが想像できたので、お客様にその機能の紹介や活用の提案ができていたんですが、「AIエージェント機能」とかになってくると、自分がエンジニアだった時代にそうした機能の恩恵を受けてないので、自分の言葉で説明したり魅力を伝えるのが難しくて。
こうしたAIの機能って今後もあらゆる製品に入ってくると思うので、この流れは止まらない。そこで、このタイミングでちゃんとAIの技術やパワーをちゃんと活用するという経験をしておかなきゃいけないと考えたんです。
そのときに、ソフトウェアエンジニアとしてそれを経験しておくことが一番効率的だし近道だなと思ったことが、改めてエンジニアに戻ったきっかけです。
そういうことだったんですね。では、ソフトウェアエンジニアとしてAIを活用した肌感を得たら、ゆくゆくはまたビジネスサイドの職種に戻るみたいなことも考えてらっしゃるんですか?
正直、いまのところは自分でも全然わからないですね 。SmartHRは入社してまだ一年経っていないぐらいですけど、エンジニアとしてAIをいろいろ触ったりとかして、「そういうことか」みたいなところがわかってきたかなという感覚はあります。なので、仮に何らかの事情でそういうお仕事をしなければいけないとなった時でも、ちょっとできそうかな、みたいな風には思えるようになったので、選択肢は広げられたなと感じてます。
ただ、これまで9年ぐらいずっとビジネスサイドの側にいて、ここで9年ぶりにSmartHRで開発側というか、エンジニアに戻れたことは、自分自身すごく嬉しく思ってるんです。そういった意味でいくと、もうしばらく、というか、今のところは、またチャンスがあればビジネスサイドに戻るというよりは、がっつりとしっかりとAIがある時代の開発だったり、エンジニアリングを磨いていって、また自分のしっかりとした軸足の一つにできたらいいなとは思っています。
実際にエンジニアの立場でAIを触ってみて、CREの仕事が大きく変わるような印象はありますか?
これからAIとかLLMがいくら進化・進歩したとしても、CREの働き方というのは、単純にAIによってなくなったり取って代わられたりするものではなくて、むしろAIの力みたいなものをしっかりと活用できるツールとして活用できる仕事になるのかなと思っているので、ぜひCREという働き方に興味を持っていただける方が増えたら嬉しいなと思っています。
SmartHRで三度目のCREの立ち上げ
SmartHRさんでは、CREユニットの立ち上げも担当されていますよね。
ご自身が立ち上げたCREユニットのなかで、エンジニアをされているということになるんでしょうか。
そうです。CREユニットの中には、現在はエンジニアしか所属はしていません。今後もSmartHRにおける「CRE」は職種というよりはチーム名という感じですね。
エントリーや登壇で立ち上げの記事は拝見してますが、改めて伺ってもいいでしょうか。
もちろんです。SmartHRにはソフトウェアエンジニアとして入社したという話はしましたが、最初に声をかけてもらったきっかけは「はてなでCREを立ち上げたa-knowさんですよね?」という感じだったので、CREの経験ありきで興味を持ってもらったと思ってます。
当時のSmartHRでは、CRE的な役回りをする人というか、お客様からのお問い合わせ対応業務において課題があるということでした。僕自身、CREをやっていたというのは自分のキャリアの中でも大事なピースのひとつだと思ってますし、今後も軸足となるだろうなと思っていたところだったので、その経験がSmartHRでももし役に立てるんだったら、ぜひという感じでした。
CREユニットに所属するエンジニアの役割は他の業種の方とどういう感じで役割を分けているんですか?
カスタマーサポートやCSや営業がいて、その方たちがお客様から受けたお問い合わせのうち、ちょっと込み入ったというか、技術的な要素も絡むようなお問い合わせが開発チームにエスカレーションされてくるので、それをCREユニットでさばいていく・そのお問い合わせに繋がった根本原因もプロダクト改修などで取り除いていく、というのが、CREユニットが取り組んでいる最初の課題です。
はてなではCREは職種でしたが、SmartHRさんはCREはユニットで、a-knowさんはそこに所属するソフトウェアエンジニアというような違いがあります。a-knowさんは会社それぞれでCREの役割は違っていいということをおっしゃってますよね。
はい。CREのCであるカスタマーが会社ごとに違うものなので、CREの役割もそれに応じて変わっていいと思っています。変に「CREとはこうあるべきものだ」と考えずに、「うちのCREはこうなんです」みたいなところを、それぞれがカジュアルにしっかりと表に出していけるような場や雰囲気があればいいのかなと思います。
はてなで最初に立ち上げた頃のCRE感って、いまはどう振り返ってらっしゃいますか?
正直、あの頃は既に何か自分に見えていたものがあったかというと、全然なかったなと思ってます。
当時の自分の職種だった「セールスエンジニア」の名称を実態に合わせて変えよう、ということで、他にもいくつか名称の候補が上がってはいたんですが......。SREがどんどんと認知を広げていっていて、Googleは同じくCREも提唱していると知って、当時の同僚だった
id:Soudai さん(株式会社リンケージ COO・ CTO / Mackerelエバンジェリスト 曽根壮大氏)と話し合って、「これだ!」となって。それで、当時の上司の
id:Songmu さん(GitHub Japan シニアソリューションエンジニア 松木雅幸氏)に「CREやります」と言って採用されたという感じです。
そこから、自分的に”CRE像”に対して非常に大きな気づきを与えてくれたのが、当時Mackerelチームでご一緒していた
id:syou6162 さん(株式会社10X データエンジニア 吉田康久氏)の存在ですね 。syouさんは、もともとはてなでWebアプリケーションエンジニアとして活躍されていて、途中でMackerelチームに来て、ロール内異常検知といった機械学習の知見を活かした機能を開発されてましたが、その後職種をCREに変えてチーム異動してきていただきました 。syouさんがMackerelのユーザーの利用者のデータ分析基盤の立ち上げから力強く推進されているのを間近で見ていて、今でもそれは非常に重要な意味を持つ活動だったなと思ってます。

id:missasan
id:a-knowさん
id:syou6162さん)CREは「お客さんにサービスを信頼して使ってもらえるようにする役割」というイメージを持たれがちだと思っていて、もちろんそれは決して間違いではないと思うのですが、僕が目指したいと思っているCREの役割のもう一つには、カスタマーサクセスや営業が提案活動をする際、お客様が今どういう状況や状態でプロダクトを使ってくれているか、という、「我々が把握しているお客様に関する情報の信頼性」も担う、というものがあります。そういった観点で、エンジニアリングを発揮してもっと事業に貢献することができる役割なんじゃないか、というのを、syouさんの働きを間近で見ていくなかで気づけたんです。
ちょうどタイミングよく前回の
id:onk さん担当回が syouさんでもうすぐ掲載されるんです。データ基盤の話はそこでも伺っています。
掲載されました
developer.hatenastaff.com
すごいタイミング!そうだったんですね。syouさんがMackerelチームでデータ周りを整えてくれた時のことが、自分としては成功体験として残っているので、なんとかあれをSmartHRでももう一度、という気持ちでやっています。
今回取材にあたってSmartHRさんのCRE求人の内容などを予習してきたんですが、「CRE(プロダクト改善)」 と「CRE(Observability)」 の2つに分かれているのが印象的です。このふたつについてお伺いしたいです。
いろいろ見ていただいてありがとうございます。前者の「CRE(プロダクト改善)」の方は、お問い合わせを受けてその対応をするだけではなくて、お問い合わせの内容から推測される、あるべきプロダクトの形や仕様の課題を特定して、プロダクト改善につなげていける役割を想定しています。
「CRE(Observability)」というのは、先ほどお話したsyouさんみたいな人物像ですね。当時のsyouさんのことを頭に浮かべながら求人票を書きました。
データ分析基盤を整えたり、プロダクトの利用状況などを観測したりといった役割が「CRE(Observability)」のほうですね。
そういう求人の考え方も、はてな時代のご自身の経験が影響されてるんですね。
すごく影響してます。本当にいい経験をさせてもらえたなと思いますね。
振り返ると、 MackerelのCREって、やっぱり当時から今でもずっと変わらず、貴重でレアな新しい職種だと思うんです 。サーバー監視サービスとか、オブザーバビリティサービスというサービスを使うのも、またエンジニアなわけなので、ゴリゴリにエンジニアリングの知識やバックグラウンドを必要とするサービスに携わるだけでも、エンジニアとしてすごく経験値を貯めることができる 。
はてなでもエンジニアがCREに異動するケースが増えていますよね。そうすると、ビジネスサイドのことも当然意識しながら仕事しなければいけないわけで、エンジニアとしても力を高めつつ、もう一本の軸足を身につける、みたいな非常に貴重な体験・経験ができるポジションだなと思っているので、おもしろいですよね。
CREの役割と評価
いま僕ははてなで技術組織のマネージャーをやっていて、CREの人たちをどうはてなのエンジニアとして評価していくかを考える立場にあるんですけども、a-knowさんはCREの評価について、特に定量的な評価について、どのようなお考えかぜひ教えていただきたいです。
難しいですよね。ただ、これはCREに限らずなんですけど、すべての職種の活動は、企業全体が掲げる事業目標に対する貢献に繋がっているべきだと思うんですよね。
SmartHRの場合だと、エンジニアの機能開発への集中を守る・それによって新規開発される機能によって立つ売上を守ることにも貢献する、ということと、データの信頼度を高めて社内の様々な意思決定のレベルを上げることで事業にも貢献するというのが今現在のCREの大きなミッションだと考えてます。
エンジニアの機能開発への集中を守るというのは、機能開発を行うエンジニアがCSや営業からの問い合わせに対応せざるを得なくなり、それによって、機能開発工数が損なわれてしまう、という問題に対処することです。「この機能が完成したら、これぐらいの売上が立つ」というビジネスメンバーの目標にしっかりとコミットメントしてもらえるように、エンジニアが問い合わせ対応に工数が取られているというリスク要因を我々CREが対処し、機能開発に集中できるようにする。それを通じて、売上目標の達成に間接的に貢献するという考えです。
データの信頼度を高め、社内の様々な意思決定のレベルを上げるというのは、開発チームだけでなく営業だったりCSの方が日々の活動に、我々が用意するツールやデータを活用できる状態にすることで、日々の機能開発の取捨選択や提案活動や売上獲得などにつなげてもらうことを目指す、というような、データの信頼度に関する目標です。
ありがとうございます。やはり指標としては定量的なものというよりは、間接的なものになりがちではあるんですかね。
そうですね。ただ、間接的ではあるかもしれないけれど、我々が取り組んでいることは確実に事業全体に貢献する仕事なんだぞ、ということについては意識し続けたいと思っています。でも、直接、定量的な成果を出せるようなフェーズも、いつかは来るんじゃないかなと信じてます。難しくもあり、面白くもあるところですね。
地域コミュニティと地元・岡山へのこだわり
a-knowさんは岡山を拠点にされています。海外から見れば同じ日本だよねという話も出ましたが、地域コミュニティについても聞きたいです。当面は、岡山を拠点にしていくというのは変わりないんですよね?
そうですね、もう家も建ててしまったので、基本的にはここから離れられないなっていうのはあります。
僕も京都を拠点に働いているわけですが、ソフトウェア業界では一定数、東京で働くほうが情報が入りやすいみたいな考えを持っている方も多くいらっしゃると思います。そのあたりはどう感じていらっしゃいますか?
はてなでの経験も含めて東京に7年ぐらいいたんですけど、東京という場に物理的にいることによって情報を得るという点でショートカットできる部分はあるなというのは確かに思います。一方で、仮にその場にいないとしても、自分が必要とする情報の見つけ方だったり、どういう風にインプットすればいいか、みたいなところを、この7年間でなんとなく身につけることができたような気がしています。若干スループットは落ちるだろうなと思うんですけど、別にそれが致命的になることもないんじゃないかなと、結構そこは楽観的に捉えて、岡山でも大丈夫だろうみたいなところはありますね。
こないだもMackerelのメンバーが岡山の近くに仕事で来たからごはん行きましょうって誘ってくれて会って来ました。daiksyさんも岡山のイベントに遊びに来てくださいましたよね。岡山にいても、そういう風につながりを持てているのもありがたいなと思ってます。

a-knowさんから見た岡山のコミュニティの特徴ってどういうものがありますか?
岡山は周りの隣接県とかに比べるとエンジニアコミュニティは活発だと思います。東京に出て、岡山が地方コミュニティのなかでは結構特殊なんだなということに気づいた感じがあります(笑)。
岡山のコミュニティで、自分が参加側に居た時は、いい意味で特別なコミュニティを形成しているのに、もったいないというか、もっとうまくまとまれたらいいのにとずっと思っていたので、自分が故郷である岡山に移住することを考えたときに、「誰もやらないんだったら、自分もちょっと後押しの一人になるか」みたいな、そんな気持ちでコミュニティの立ち上げを始めました。
東京と岡山とでは、そもそも人口が違うのでイベントをやってもいろんな人が入れ替わるというよりは参加者が固定されがちではあるので、少人数が集まると、身内のネタで盛り上がりすぎるみたいなものがあると思うんです。これが行き過ぎると新しい参加者が入りにくくなってしまうので、そこは気を付けるようにしていますね。
少人数であっても、必ず発表してもらっている勉強会の様子を動画として記録をしてYouTubeにアップする、みたいな形をとっています。そうすることで適度な緊張感が生まれて、過度な身内ネタに走ってしまうことの抑止力にもなるんじゃないかと思っています。動画を公開することで、岡山のコミュニティってどういう感じの雰囲気なんだろう?って知りたいと思ってくれた人がいつでもアクセスできる状態も保てます。
いまのはてなはどう見える?
この連載で唯一決まっている質問です。卒業生として今のはてなを見て、感じてらっしゃることとか、思ってらっしゃること。良い面も悪い面も率直にいただければと思うんですけど、いかがでしょう。
良い面しか思い浮かばないですね。一番驚いたのはMackerelの「Vaxila」事業譲受ですね。はてなってそういうことするんだ!すごいじゃん!!って思って(笑)。
僕が居た時って、少なくとも僕の見聞きできる範囲ではこういう選択肢については聞いたことがなかったので、こういう決断ができるというのはすごく良いことだなと思って応援しています。
同じく「toitta」のリリースも印象的です。新規事業のチームが100個以上のアイデアを出して、そこからリリースした toBサービスということで、新規事業ができるプロセスそのものも、僕が居た時代とはまた進化したんだなということがわかりましたし、おもしろいなと思って。ラスト2個アイデアが残って、1個は既にお客様がいたにも関わらず正式リリース前に撤退したという意思決定がなされたという話も、会社の進化を感じました。
ありがとうございます。a-knowさんははてなのニュースによくXやブックマークで反応してくださっていて、見守ってもらっていることをいつも嬉しく感じていました。僕もアルムナイではてなに戻りましたが、進化したところもありながら、変わらないところもあっておもしろいです。これからも進化していきますので、見守っていてください!今日はありがとうございました。

id:a-knowさん、ありがとうございました!(写真は2016年の
id:daiksyとのツーショット)
id:a-knowこと井上さん、ご協力ありがとうございました。次回の「はてな卒業生訪問企画」は2026年3月頃更新予定、担当は
id:onishiです。
id:daiksy
粕谷 大輔(かすや だいすけ)
技術グループ 技術グループ長
2014年アプリケーションエンジニアとして入社。その後Mackerelのディレクターを経て2020年に一度退職。2024年にエンジニアリングマネージャーとして再び入社。2025年8月より、エンジニア組織の責任者として技術グループ長に就任。
𝕏: @daiksy