DevLOVE現場甲子園2014 日本シリーズ編に行って来ました

こんにちは。はてな社長の id:chris4403 です。

この記事ははてなエンジニアアドベントカレンダー2014の7日目です。元エンジニアということでカレンダーに参加させていただきます。

昨日開催されたDevLOVE現場甲子園2014 日本シリーズ編について書きます。

DevLOVE現場甲子園とは

DevLOVE現場甲子園については、サイトの説明文を引用させていただきます。

現場甲子園 では、現場各地から 挑戦者 に集まってもらいます。
現場甲子園は、現場での挑戦を発表する場です。直面した課題と実践した工夫、挑戦の途上でも構いません。それぞれの現場を越えて一同に会し、互いに自分にしかできない話をする。そこで得られるフィードバックは明日の前進をあと押しする力に、きっとなることでしょう。

DevLOVE現場甲子園2014 日本シリーズ編 〜東西開発現場の集結〜 - DevLOVE | Doorkeeper

夏に、東日本大会と西日本大会がそれぞれ行われており、その中で得票数が高かったものが今回の日本シリーズ編に集められたという経緯になります。

発表内容

私は「はてなでのプロジェクトマネジメントのあれこれ(仮)」というタイトルで発表させていただきました。プロジェクトマネジメントのあれこれというタイトルですが、開発フローや使っているツールの話は、開発メンバーがあちこちで発表しているので、実際に手を動かしてプロダクトを作っている立場からマネジメントの役割へとシフトしていく中でこういうことを考えていました、というような内容の発表をしました。

発表資料公開しますが、プレゼンがないと意味が分からないところ多いと思います。
一番お話したかったことは、マネージャとしてチームを回していく上で、ちゃんと「人」に興味を持ちましょう、ツール・メソッド導入していくことも大切だけど、人間関係・信頼関係を作っていくことが大切ですよね、ということです。当たり前の話ですけど、本当にちゃんとできてるのと言われたら自信を持ってできていると答えられる人は少ないのではと思っています。

響いた発表

12本の発表、すべて個性的で面白かったですが、その中でも特に響いた発表を3つピックアップして紹介したいと思います。

社内スタートアップでの組織の成長に伴い発生する痛みとその解決策(スクラム&顧客開発&リーンスタートアップ導入)について

黒田樹(@i2key)さんが、社内で急速にプロジェクトが立ち上がっていく中での戦いの記録を生々しく語ってくれたセッションでした。発表資料も公開されていて、資料だけでも話題になっています。

感心したポイントは、炎上するプロジェクトに手を打っていく中で、スクラムやリーンといった手法に取り組む際、様々な手段を使って1次ソースに指導してもらっているところです。もちろんコネや会社のパワーというのも多少はあると思いますが、そういうのがあったとしても、何かに取り組む際、その提唱者に直接コンタクトを取ろうという人は少ないのではないでしょうか。ネットワークのインフラが広がって、誰かに連絡を取ろうと思ったら思い切って行動するだけで繋がれる可能性がより高まっている中で、ファッションになりがちな2次以降のソースではなくちゃんと原典にあたろうという意思こそがこの発表で学ぶべき一番のポイントだと思いました。

プログラマは ニンシキギジュツをおぼえた!

山口 陽平(@melleo1978)さんによる、社内で認識技術のプロダクトを作れるようになるまでに実践したことを紹介してくれたセッションでした。公開されている発表資料は↓こちら。

響いたポイントは、認識技術についてまったくの素人のプログラマたちを、座学、演習、実践というステップを経て、認識技術の力をつけ、会社の主力事業にまでなったというストーリー。技術についての勉強会を社内で行っているという会社は増えてきていると思いますが、実際に現場でその知識を使ったり、さらに進んで事業になるまで昇華させるというのはなかなかできることではないと思います。単純にすごいなと思いましたし、技術力を売りにしている弊社も、もっと技術とプロダクトの距離を縮めていかなければと強く感じました。

また、発表の最中に認識技術をつかってラジオ体操の採点をする↓下記アプリをダウンロードさせ、発表を聞いている100名くらいの参加者が一斉にラジオ体操をするというシュールな展開も良かったです。

毎朝体操 on the App Store on iTunes
毎朝体操 - Google Play の Android アプリ

認識技術により、自分が行ったラジオ体操が点数化され、ソーシャルにシェアできるというのも今っぽい。参加者の中で最も高い点を出した人が毎朝体操のTシャツもらえるというので、張り切って体操したところ、1位になってしまいました。Tシャツは後日送付されてくるとのことで楽しみです。

現場のコード意識を変えるために導入したリーダブルコードとガウディの思想

だいごろう(@wata_dai)選手による、現場でコードを書くときの意識を変えていったというストーリー。ガウディの建築手法がアジャイル的だという発見から、「設計書ではなく、小さな模型で説明して、設計思想を残す」という話につながっていくところが面白かったです。

この発表が、当日のMVPに選ばれたのも納得でした。一番響いたのは、最後のスライドの「良いコードは、次世代の良い教科書になる」というメッセージ。古いコードというと、レガシーコードと蔑まれ、若い人から忌み嫌われるみたいな印象になりがちですが、そうならずむしろ教科書になるべきだというメッセージが、若い世代の方から出てくるのが頼もしかったです。

おわり

今回の勉強会の会場は、渋谷のサイバーエージェントさんのセミナールームを利用させていただきました。
はてなの京都オフィスのセミナールームも勉強会の会場に提供しています。関西で勉強会を開こうと思っているけど、どこか会場ないかなという方は是非利用してください。貸出を希望の方は、はてな社員までお問い合わせください。